自動車メーカーが供給する修理用新品部品の半値を目標に提供してきた自動車リユース(中古)部品業界が輸送コストの上昇に頭を痛めている。
早くて安い、ということで頼りきってきた大手物流業者がその事業戦略を転換、重量も形状も不ぞろいなリユース部品の輸配送から手を引き始めたことが最大の要因だ。地球環境問題その他で期待が高まるリユース部品だが、行方が心配ですね!
取り扱い荷物の上限サイズを見直し、サイズダウンするとのこと。これにともない、リユース部品の売れ筋商品であるドアパネル、ボンネット、バンパーなどの外装部品が取り扱い荷物の対象から外れた。
物流業者によると「取り扱いできなくなったケースでは他の輸送手段を紹介している」そうだが、金額面でリユース部品には合わない。リユース部品業者によると、北海道から関東地方まで1枚8000円で運ばれていたドアパネルの送料が、2万5000円と3倍超える送料に跳ね上がったケースもあるという。
一方、リユース部品の需要先、車体整備事業者では「1枚4~5万円の中古のドアパネルに2~3万円の輸送費がプラスされるのでは、リユース部品を使うメリットがない」(BSサミット事業協同組合)と断言する。
保険を適用せず自費で修理を行うユーザーが増える?
リユース部品は、10月に損害保険各社が行った料率制度改定により、にわか注目が高まっていた。料率制度の改定は、事故増加にともなう保険金支払いが損保各社の負担になったことで実施されたもので、事故を起こすと3年間料率が大幅に引き上げられるなどの内容だ。損保各社はこうした料率改定を行う一方、事故時の支払い保険料でウエートの高い部品代金について、リユース部品を使うことで圧縮しようと動き始めたところだった。
同時に車体整備業者も、保険を適用せず自費で修理を行うユーザーが増えると見こみ、リユース部品を活用した低価格な修理で需要を取り込もうとしていた。
リユース部品業界は、安価な輸送料を前提に運賃込みで販売してきた。大手の事業者はこれを見直し、価格が1万円を切るものについては輸送料を別途請求するようにするなど、動き始めている。このほか、グループの中で段ボールサイズを小さくし、サイズをそろえるなど、さまざまな試行錯誤を始めている。
こんな実態だとエコと言っても何が?って感じですね。